「子どもの歯並びが気になるけれど、これって遺伝?」「自分の歯並びが悪いのは親のせい?」──そう思ったことはありませんか。
実は、上顎骨(上あご)の遺伝的要因は0.1%以下とも言われており、ご家族の歯並びが良くても不正咬合は十分に起こります。
このページでは、不正咬合が起きるメカニズムから、先天的・後天的な原因の種類、お子さんの治療の適齢期まで、大分市タカサゴデンタルオフィスの院長が詳しく解説します。
不正咬合(ふせいこうごう)とは、上下の歯が正しく咬み合っていない状態の総称です。単に「歯並びが悪い」という見た目の問題にとどまらず、咀嚼(よく噛むこと)・発音・顎の発育・虫歯・歯周病リスクなど、全身の健康に広く影響します。
日本人の不正咬合の中で最も多い種類は叢生(そうせい)で、全体の44.3%を占めるとされています(厚生労働省・歯科疾患実態調査より)。八重歯も叢生のひとつです。
多くの場合、不正咬合(歯並びの悪さ)の根本原因は上顎骨(上あご)の劣成長だと言われています。
長い人類の進化の過程で、現代人の上顎は小さく、歯の横幅は大きくなる傾向にあります。その結果、上顎に歯が並びきれずにガタガタになってしまうのです。
上顎骨への遺伝的関与は0.1%以下と言われています。
ご家族の歯並びが良くても、お子さんが不正咬合になる可能性は十分にあります。
「親が歯並びきれいだから大丈夫」という安心は、残念ながら根拠がないのです。
不正咬合の原因は大きく「先天的原因」と「後天的原因」に分けられます。まず先天的原因から見ていきましょう。
顎骨の形状や大きさは遺伝的に受け継がれる場合があります。ただし前述の通り、上顎骨への遺伝的関与は非常に限定的です。遺伝的関与が比較的高いのは下顎前突(受け口)で、これは下顎骨の過成長に遺伝が関係しています。
口唇裂・口蓋裂などの先天異常がある場合、形成手術後の影響なども含め、叢生・反対咬合を呈することがあります。上顎骨の劣成長や狭窄歯列を伴うことがあります。
過剰歯(通常より多い歯)や欠如歯(生まれつき少ない歯)、巨大歯・矮小歯(通常と異なるサイズの歯)なども、不正咬合の先天的原因になります。過剰歯は叢生・正中離開(前歯の隙間)を引き起こし、欠如歯は隣の歯の傾斜や空隙歯列の原因になります。
先天的な要因がなくても、成長期の生活習慣によって不正咬合は起こります。これが後天的原因です。日常生活の中に潜んでいることが多いため、保護者の方が早めに気づくことが大切です。
成長期の子どもに特に多い原因です。
| 指しゃぶり 上顎切歯(前歯)を前方へ押し出し、出っ歯(上顎前突)や開咬を引き起こします | 舌癖(舌突出癖) 舌を前歯に押しつける癖が、開咬・上顎前突の原因になります |
| 口呼吸 舌の位置が下がり、頬の筋肉が歯を内側へ押す力が強まって叢生・出っ歯の原因になります。口腔内が乾燥し、虫歯・歯周病リスクも高まります | 頬杖 横から顎に力がかかり、交叉咬合(左右の咬み合わせのズレ)の原因になります |
| 爪を噛む癖・弄唇癖 歯の捻じれや叢生、出っ歯の原因になります |
乳歯が虫歯で早く抜けてしまうと、そのスペースに隣の歯が倒れ込み、永久歯が正しく生えるスペースが失われます。「乳歯はどうせ生え変わるから」と虫歯を放置することは、不正咬合のリスクを高める大きな原因のひとつです。
現代の食事は軟らかいものが多く、顎をしっかり使う機会が減っています。顎を使わないと顎骨の発達が十分に促されず、歯が並ぶスペースが不足する原因になります。子どもの運動不足も顎の発達と深い関係があると言われています。
幼少期の顔面への強い外力が、顎骨の変形・永久歯胚の損傷につながり、不正咬合を引き起こすことがあります。
不正咬合にはいくつかの種類があります。それぞれ原因や影響が異なります。
| 種類 | 別名 | 主な特徴 |
|---|---|---|
| 叢生(そうせい) | ガタガタ・八重歯 | 最も多い(44.3%)。スペース不足で歯が重なる |
| 上顎前突 | 出っ歯 | 上の前歯が前方へ突出した状態 |
| 下顎前突 | 受け口・反対咬合 | 下の前歯が上より前に出る。遺伝的関与が比較的高い |
| 開咬(かいこう) | オープンバイト | 口を閉じても上下前歯が当たらない |
| 過蓋咬合(かがいこうごう) | ディープバイト | 噛み合わせが深く下の歯が隠れる |
| 交叉咬合(こうさこうごう) | クロスバイト | 上下の歯列が左右にズレている |
| 空隙歯列(くうげきしれつ) | すきっ歯 | 歯と歯の間に隙間がある |
※厚生労働省・歯科疾患実態調査による叢生の割合:44.3%(日本人の不正咬合の中で最多)
不正咬合は見た目の問題だけではありません。放置すると以下のような影響が広がります。
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咀嚼機能の低下
歯がうまく噛み合わないため食べ物を十分に砕けない。栄養吸収にも影響
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発音への影響
サ行・タ行などが不明瞭になる場合がある
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虫歯・歯周病リスクの上昇
歯が重なり合っていると磨き残しが増え、清掃が困難になる
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顎関節への負担
咬み合わせが悪いと顎関節症を引き起こすことがある
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口呼吸の助長
口が閉じにくいと口呼吸になり、免疫力低下・睡眠の質低下につながる
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全身への影響
頭痛・肩こり・姿勢の悪化との関連も指摘されている
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心理的な影響
見た目を気にすることでコンプレックスや自信喪失につながることがある
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ここからが、タカサゴデンタルオフィスとして最もお伝えしたいことです。
個人差はありますが、12歳を過ぎると上顎の成長は成人の95%まで終わってしまいます。矯正治療を7歳で始めても、上顎骨の成長に残された猶予はわずか5年間しかないのです。
身体の成長率と年齢との関係を示す成長曲線では、顎骨の成長はリンパ型に属し、そのピークが7歳〜12歳であることがわかっています。この成長のピークを矯正治療に活用しない手はありません。
成長期の顎骨に働きかける「顎顔面矯正(一期治療)」は、まさにこの時期に行うからこそ最大の効果を発揮します。年齢が若ければ若いほど効果は大きく、装置をつけられるようであれば4歳からでも治療は可能です。
ただし、矯正治療は受けるご本人の意思が最も重要です。4歳では治療の意味を十分に理解できない場合もあります。嫌がらないように、嫌がらないように、徐々に歯科治療・矯正治療に慣れさせていくことが大切だと思います。
一度「イヤッ!」ってなっちゃうと、そのあとずっと矯正治療はおろか、むし歯治療もさせてくれない…なんてことになりかねません。焦らず、お子さんのペースに合わせて進めていくことが大切です。
不正咬合の治療は、年齢・症例・原因によって異なります。タカサゴデンタルオフィスでは以下の治療を提供しています。
成長期(7〜12歳が最適)に顎の骨に働きかけ、歯が並ぶスペースを確保する治療です。タカサゴデンタルオフィスが特に力を入れている治療法で、急速拡大装置を用いて上顎骨を本来あるべき大きさに広げます。この時期に骨格的なアプローチをすることで、二期治療(歯の整列)が短期間・低負担で済むケースが多くあります。
一期治療後または成人を対象に、歯1本1本を正しい位置に動かす治療です。ワイヤー矯正(マルチブラケット)・インビザライン・シュアスマイルの3つの選択肢があります。
成人の方の不正咬合にも対応しています。軽〜中度の症例にはマウスピース矯正(インビザライン・シュアスマイル)が、重度の叢生・抜歯を伴う症例にはワイヤー矯正が適しています。
不正咬合の最大の原因は上顎骨の劣成長であり、遺伝的要因は非常に限られています。後天的な悪習癖・食生活・乳歯管理によって不正咬合を予防・進行防止することも可能です。
そして最も大切なことは、治療の適齢期を逃さないことです。12歳を過ぎると上顎骨の成長の95%が終わります。お子さんの歯並びが気になったら、成長のピークが過ぎる前にご相談ください。
まずはお気軽にお問合せください。